ねんきん定期便は専門用語ばかりでよくわかないと思ったことございませんか。結局、年金はいくらもらえるの?と悩んでいる方も多いです。
これを読んでいただければ、
- ねんきん定期便のわかりづらい用語をわかりやすく解説します。
- ねんきん定期便から生命保険見直しする際の4つのヒントがわかります。
- ねんきん定期便を紛失してしまった時の解決方法がわかります。
ねんきん定期便とは
平成21年より発送している、毎年誕生月に届く年金のお知らせのことです。
毎年、はがき形式で送付されるが、節目年齢(35歳・45歳・59歳)には封書で届きます。
このねんきん定期便から、これまでの年金加入期間と将来の年金額が把握できます。
なお、49歳以下の方は、これまでの加入月数による途中経過の金額。50歳以上の方は、60歳まで今の加入を続けた場合の見込み額が記載されている。
ここでは、50歳以上のねんきん定期便(ハガキ)の見方を紹介します。
確認ポイント①はがき表面
ⓐ照会番号:ねんきん定期便について問い合わせする際の番号
ⓑ65歳時の年金の見込額:年金は原則65歳からもらえる(男性:S36.04.02以降生まれの方、女性:S41.04.02以降生まれの方)
🄫70歳・75歳まで遅らせた場合(繰り下げ)の見込額:年金をもらう年齢を70歳(5年後)にすると42%、75歳(10年後)すると84%年金額が増え、しかも、増えたまま一生涯もらえる。
ⓓ国民年金:自営業の方や主婦の方。「国年」と記載される。
ⓔ厚生年金保険:サラリーマン・公務員の方。「厚年」と記載される。
ⓕ標準報酬月額:厚生年金保険では、被保険者が受け取る給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した額。(現在の標準報酬月額は、1等級(8万8千円)から32等級(65万円)までの32等級に分かれています。)
また、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定が行われます(定時決定)。
定時決定の算定月以後に報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合には、標準報酬月額の改定が行われます(随時改定)。
ⓕ標準賞与額:実際の税引き前の賞与の額から1千円未満の端数を切り捨てたもので、支給1回につき、150万円が上限(150万円を超えるときは150万円とされます。)であり、年3回以下の回数で支払われるもの。なお、年4回以上支給される賞与については、標準報酬月額の対象となる報酬とされ、標準賞与額の対象となる賞与とはされません。
ⓕ保険料納付額:毎月支払っている年金保険料の額(サラリーマンであれば給与明細に「厚生年金保険料」と記載されている。)
確認ポイント②はがき裏面
ⓘこれまでの年金加入期間:国民年金(a)と厚生年金(b)で分かれている。これまで、サラリーマンから自営業等に起業されている方は別々に記載される。
受給資格期間:これまでの年金に加入していた合計月数。なお、老齢基礎年金は原則として120か月(10年間)以上の受給資格期間が必要となる。
Ⓙ老齢年金の見込額:65歳からもらえる年金額(年額)*生年月日によって受給開始は異なるため、受給開始年齢欄を確認する。
ⓚ老齢基礎年金:受給開始年齢(原則65歳)になったらもらえる年金額。
ⓛ老齢厚生年金:サラリーマン(もしくは公務員等)がⓚ老齢基礎年金に上乗せしてもらえる年金額
ⓜお客様へのお知らせ
ⓝお客様のアクセスキー:ねんきんネットにアクセスする際のIDを得るのに必要な番号
ⓞ音声コード:目の不自由な方の音声コード
ねんきん定期便からわかる生命保険見直しの4つのポイント
- 万一、亡くなった場合の保障(自営業の場合)
- 万一、亡くなった場合の保障(サラリーマンの場合)
- 入院した時の保障
- 働けなくなった時の保障
✅ポイント1(遺族基礎年金)
配偶者(夫でも妻でもよい)が自営業の場合:配偶者が亡くなった場合は、ⓚ老齢基礎年金額(令和4年は816,000円(昭和31.04.02以降生まれの方)+子の加算(234,800円)(*1*2)が支払われる。しかし、子がいない場合は支給されない。
(*1)子とは、18歳になってから最初に迎える3月末つまり高校を卒業するまでの子、または、障害等級が1級・2級の場合は20歳未満の子。
(*2)1人目および2人目の子の加算額 各234,800円。3人目以降の子の加算額 各78,300円
✅ポイント2(遺族厚生年金)
サラリーマンの場合:サラリーマンのご主人が亡くなった場合は、上記の遺族基礎年金に上乗せして、ⓛ老齢厚生年金額の(報酬比例部分)の3/4の額が支払われる。
*遺族厚生年金は報酬比例部分の計算において、厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
✅ポイント3(高額療養費制度)
入院した場合:ⓕ標準報酬月額によって入院・手術をした時の毎月の自己負担額が異なる。特にⓕ標準報酬月額が53万~83万円未満の方は、毎月の自己負担額(毎月約167,400円)が高くなるので要注意。 *標準報酬月額が28万~53万円未満の方の自己負担額は毎月約80,100円。
参考記事:高額療養費制度をわかりやすく解説します
✅ポイント4(傷病手当金)
サラリーマンの夫が働けなくなった場合:1日あたり、ⓕ標準報酬月額÷30日×2/3が支払われる。
*傷病手当金は、病気やケガのため働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給される。なお、自営業等の基礎年金のみの方は対象外。
・サラリーマンの方であれば、亡くなった時や働けなくなったときは、上記のとおり公的な保障で準備されているため、民間の生命保険の保障は必要最低限でよい(教育費等がある場合は考慮が必要)。
・一方、自営業等の方は、亡くなった時や働けなくなった時の公的な保障が少額なため、民間の生命保険である程度補完することを検討しなければなりません。
ねんきんネットの利用方法
ねんきんネットとは
ねんきんネットでは年金加入記録や見込額の確認、電子版のねんきん定期便がダウンロードできる。スマホでいつでも閲覧でき、さまざまな情報を確認できる。
- これまでの年金加入記録(全期間)や将来の受け取れる年金額が確認できる。さらに将来もらえる年金額の試算できる。
- 電子版のねんきん定期便では、はがきよりダウンロードにより約1か月早く内容を確認できる。
- 電子データのため紛失の心配がない。
ねんきんネットでユーザーIDを発送する方法
ねんきんネットでユーザーIDを取得すれば、以降はユーザーIDとパスワードでアクセスが可能となります。 アクセスキーがある場合には、ユーザーIDを即時取得できます。アクセスキーの有効期限は3か月となっておりますのでご注意ください。
ねんきん定期便を紛失した時の解決方法
ねんきん定期便を紛失してしまい、アクセスキーがわからない時やアクセスキーの有効期限が切れてしまった場合でも、ご自身の年金額が「ねんきんネット」から確認ができます。
ねんきんネットからの確認方法
①「ねんきんネット/日本年金機構」のトップページから、「新規登録ボタン」をクリック。
②「アクセスキーなし」のメニューから利用規約に同意、「ご利用登録を続ける」をクリック。
③「基礎年金番号(年金手帳に記載)」「氏名」「生年月日」「性別」「住所」を入力し、「パスワード」「秘密の質問」(ログイン時も必要なので覚えておいてください)、メールアドレス電話番号を入力し、次にすすむ(入力内容を確認)をクリック。
④「ユーザーIDの発行を申込む」をクリック。
約5営業後郵送でユーザーIDが通知されます。到着後、「ねんきんネット/日本年金機構」トップページより、ログインしてください。
*補足:マイナンバーカードを利用してマイナポータルと連動する方法
マイナンバーカードをお持ちであれば、マイナポータルからねんきんネットにアクセスが可能です。マイナポータルからねんきんネットを選択して連携すると、以降はマイナポータルからねんきんネットにアクセスできるようになります。
まとめ
ねんきん定期便の見方についてご紹介しました。よくわからないからすぐに捨てるのではなく、まずは、ご自身が将来もらえる公的年金額を把握することで、老後の不足分は見える化しましょう!
生命保険についてもほとんど見直しことなく継続されている方も多いです。ねんきん定期便を使ってすでに準備されている金額を確認して不必要な保障は削減してスリム化しましょう。
- ねんきん定期便の確認ポイントを理解すれば将来の年金額(概算額)がわかる。
- ねんきん定期便には生命保険見直しのヒントが記載されている。
- ねんきんネットでさらに詳しく把握できる。
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